大崎電気工業は、スマートメーター・計測システムの開発・製造・販売を手がけるシンガポールの100％子会社、ＥＤＭＩが新たに電力の計測・監視・制御ソリューショ…

シンガポール

大崎電気工業は、スマートメーター・計測システムの開発・製造・販売を手がけるシンガポールの100％子会社、ＥＤＭＩが新たに電力の計測・監視・制御ソリューションを開発し、１日から受注を開始したと発表した。
ＥＤＭＩは、次世代スマートメーター「ネオス（ＮＥＯＳ）」を軸とした「ネオスソリューション」を新たに開発した。エッジ・インテリジェンス（ネットワークに接続された機器上でデータ処理や分析を行う技術）機能を備えた次世代スマートメーターと、クラウド上の上位系システム「ストーム」で構成される。住宅だけでなく、商業・産業分野や電力供給網全体など幅広い領域で電力の計測・監視・制御を行うことが可能だ。
上位系システムは、家庭などに設置された多数のスマートメーターを遠隔で一元管理し、電力会社が行う料金請求、使用状況の監視、設備保守といった各種システムと連携させるシステムだ。
世界的に再生可能エネルギーの活用が進む中、太陽光発電や小型風力発電といった分散型エネルギーの導入が加速している。電気の流れは従来のように大規模発電所からの一方向の供給だけではなく、分散型エネルギーの介在で複雑化している。分散型エネルギーは発電量が天候や時間帯に左右されやすく、「いつ、どこで、どれだけ」発電されるかを正確に予測するのは難しい。
ＥＤＭＩはこうした課題に対応するため、ネオスソリューションを開発した。同社の従来製品は電力使用量などのデータを１秒間隔で計測しているが、ネオスは計測頻度をさらに高め、１秒未満の短い間隔でデータを取得できる機能を備える。
同社の中核商材として、既に高いシェアを誇るオセアニア地域を皮切りに、アジアや欧州市場へ段階的に投入する予定だ。各国・地域の送配電事業者、小売事業者、需給調整事業者などに提供していく。
大崎電気工業は、海外事業の大半をＥＤＭＩを通じて展開している。ＥＤＭＩはオセアニアや欧州、アジアなどで事業を展開。特にオーストラリア東部５州とニュージーランドでは70％超のシェアを誇る。
海外事業は、2024年度実績で大崎電気工業グループの売上高の約40％、営業利益の約26％を占める。26年度に向けた３カ年中期経営計画では海外のソリューションビジネス強化、利益成長を実現する方針を掲げている。
ネオスソリューションの投入で海外のソリューション事業を拡大し、26年度には海外事業全体の営業利益を24年度比で18億円増の33億円とすることを目指す。

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