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この度、ダッカ日本商工会として「ダッカ便り」への寄稿の機会を頂いたことに先ずお礼を申し上げます。
現在バングラデシュには約330社の日本企業が進出、ダッカ日本商工会の加盟企業も2025年9月時点で153社を数え、いずれも過去10年で2倍前後の伸びを示しています。とはいえ、隣国インドの1,400社超の進出日本企業数や、ミャンマー日本商工会の加盟企業300社超に比較して、まだまだ遅れを取っているのが実態です。
ダッカ日本商工会はバングラデシュ独立から間もない1972年に発足し、50年以上の歴史の中で日本との経済・貿易関係の拡大・促進を通じてバングラデシュの経済発展にも貢献してきました。繊維業を始めとする製造輸出拠点や政府開発援助(ODA)によるインフラ整備事業を中心に進出する日系企業が多い中、1億8,000万人近い人口と豊富な労働力を背景に、近年では内需志向型産業への進出やIT分野でのオフショア開発を始めとする人材拠点としても注目が集まっています。ジェトロによる2024年度海外進出日系企業実態調査でも、今後1~2年の事業展開の方向性に関して、在バングラデシュ日系企業の約58%が「拡大」と回答しており、アジア太平洋地域で2番目に高い結果を示しています。もちろん途上国では不可避ともいえる課題も多くありますが、その筆頭ともいえる政治・社会情勢の不安は、ユヌス首席顧問率いる暫定政権が2026年2月に目指す総選挙を経て安定化に向かうことが切に望まれます。
かように長短入り混じったバングラデシュという国について、この「ダッカ便り」の連載が、現地の実情に即した認識を読者の間に広めていく一助となれば幸いです。【ダッカ日本商工会会頭、丸紅ダッカ支店長 菅原学】